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2011年は、王道の映画を観るということになり、
そして第一発目が、なんと北野武監督「HANA-BI」 思い入れが有り過ぎる作品ということ以前に、 この映画は本当に好きです 主観的にも文句無し 思い入れという面では、学生時代に北野さんと一緒の場に 入れる機会があり、質問もさせて頂いた経緯があります 本当に北野さんは学生映画を応援してくれていて、 勇気が出ましたし、テレビで見ている印象とはかなり異なっていました 物静かで、真剣で、胸の奥に「何か」を秘められていました その時に小さな環境ではありましたが、HANA-BIを観覧させて頂き、 結局、その後にも映画館はもちろん、ビデオでも何度か観ました そんなこんなでしたが、今回観てもやっぱり良かった! 複線や「オチ」を持たせるその編集センスの素晴らしさはもちろんなのですが、 その「間」や行間に意味を持たせている映画というのも評価に値します また、その「間」と演技やセリフの演出が非常にコラボしていて、 映画全体のトーンもしっかり保てています そのトーンは色んな意味でまさしく「キタノブルー」なんです 全体=夫婦愛という恒久的なものを映画全体のトーンで表現されている 撮影=キタノブルー配色と我慢するカメラワーク(時には前衛的な長回し) 演出=ディティールに拘るアクションと役者選定、小粋なセリフも素晴らしい 編集=複線と結果のカットを絶妙な「間」で挿入、論理的とも言えるインサート 音楽=強過ぎず弱過ぎずかつ耳に残る旋律、SEの入れ方もアクセントがあります ロケーションも世界を意識したもので、雪の捉え方が日常的で嫌味が無かった とにかく、この映画は一瞬で世界で通用する映画だとわかります 好きなシーンが有り過ぎて書ききれませんが、トータルで自分好みです ただ、一点、絵画の描写が少々長く感じました 良い絵だとは思うのですが、若干その描写が長くて、意識を遮断してしまう時がある 小さなことだとは思うのですが、グっとこの世界観に浸らせるためには、少々過剰かも・・・ 92/100 最初に観た時に、こんなトーンの映画を撮りたいなと思いましたが、 その想いは全く変わっていません 本当に文句無く素敵な作品 気狂いピエロの静寂版ともいえる今作 万人にお薦めです! |
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今回から1WMでちゃんと良い映画を観ていこうということで、
その第一作目の作品がことベルリン天使の詩となりました。 感想は、 映画を見始めた一番最初のところから、おぉっという映像美で、 その美しさが最後まで継続していたのが素晴らしかった。 前半のストーリーは市民たちのつぶやきを聞いているような感じですが、 そのつぶやきにストーリーがありそうで無いような、無いようで有りそうな 感じがしていて、さらにそれが詩的な感じがしていたので、映画というよりも アートなのかなと思い始めていました しかし、後半にかけてコロンボの人とサーカスの女の人とのストーリーが 異様に広がってきて、ここまで来て天使が過去から今にかけてどういう風に 生活してきたか見え隠れし、結局いろいろな事が相対的に表現されていたと 言う点がなかなか良かった 残念と思った点は、ベルリンの壁がある時代の映画でドイツの映画なので 西と東の問題がつぶやきの中でも表現されていたと思います しかし、その時代背景が映画からは感じ難く、メッセージ性もあまり感じなかった ドイツなどヨーロッパの人がこの映画を観ると感動すると思いますが、 その時代背景に詳しくない人が観るとその感動は半減すると思いますし、 将来においてその時代背景を伝える事は難しいと思います あと、前半のつぶやき部分は長く感じました 70/100点 映画のストーリー全体を通してみると、非の打ち所は有るのは有るのですが、 それよりも映画のテーマであったり、詩的なつぶやきで表現するとという手法が 良かった |
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ヴェンダースの映画を良く考えたらまともに観たことがなかったので
今回は非常に良い機会になった 当初は、パリ・テキサスを取り上げる予定だったが、 レンタル屋に本作しか無かった ストーリーはさておき、全体として非常にトーンが落ち着いていて 静かな映画で尺も長かったため、少々前半部分がかったるく感じた 逆にその部分の街の「囁き」が良いという人もいるかとは思うが、 後半からの天使とサーカスの女性のストーリーが良くなっていきそうだったので 私はその部分をもっとフィーチャーしてほしかった というのも、ベルリン破滅的な状況(劇中ではあまりそのようなシーンは無いが)を 描くにあたって街の人の呟きを利用した相対的なメッセージが多く、 登場人物に感情移入できなかったというのがその理由になる 詩などの散文的な表現は好きなんですが、 あまりに煩雑で相対的なメッセージだったので、 最終的に伝わる強いコンセプトが少々曖昧に感じられた 天使がいるという設定 情景描写や街の呟きでメッセージの訴求 終盤にかけてのストーリー性 など、良い部分はたくさんあるのですが、もっとストレートに 登場人物を絞って、その背景や時代を表現してほしかったのです そういう意味ではポンヌフの恋人がまとまっています 恋人通し2人の壮絶な恋愛の裏で見える時代性 このような作りのほうが個人的には好みです 70/100 前半部分のボリュームを絞り、ストーリー性を充実させ、 もっと「個」から発せられる言葉や 描写で強いメッセージを伝えてほしかった ただ、映像・トーン・恒久的な言葉など、映画全体としては非常に重厚でした 今度は是非、パリ・テキサスを観てみたいです。 |
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1WMギドク3作目にして、ギドクの処女作「鰐」を観ました
TAP内部でも話題になったのはキムギドクを3作も観ているにも 関わらず、ギドクのストライクゾーンと言える代表作を観ていない のでは無いだろうかという事実 当初はどんな映画も手間暇をかけて製作されているので観る価値が 有るという事だったが、このギドクの映画を観て、そんな事よりも 最も良い物を厳選して観た方がさらに効率が良いという事になりました さて、映画の感想ですが 良い所も有り、微妙やなと思う所もありと言った所です 良かった所は、川の中のシーンが全般的に良かった ギドクらしい映像で非常に美しく神秘的でした 処女作でありながらこんな映像を作っていた事に驚きました 微妙やなと思った所は、登場人物の行動の動機がいまいち解らなかった 特に女の人について、この女性の行動や生い立ちがストーリーに 大きな影響を与えるのだが、この女性の動機の描写が甘く、なぜこの女性が こうしたのかという様な事がほとんど解らなかった 細かい点をあげるともっといろいろ出てきますが、それをあげてもあまり 意味が無いので省きます 60/100点 いずれにせよ、キムギドクの映画は良いなと思う映画で、 この映画も処女作という事を前提として観ると次の作品に期待できる様な 良い映画だったと思います |
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キム・ギドク作品は、今作で3本目
TAP諸事情により、ど真ん中の作品ではありませんが、 結局3本目ということは、団体にとってキーになる監督なんだろうと思う 映画は非常に好きな作風でした 多分、バジェットが小さく処女作としての位置付けなのですから 自主映画的な感覚で制作しているのだと思います 逆にその分、監督の指針の根っこの部分が理解できた 人間の性というべきなんでしょうか、その誤魔化しのないストーリー 若干、全ての演出やクオリティーの低さが気にはなりましたが、 作品全体のトーンやハッとさせる印象的なシーンがあり、 誰が見てもこの監督の原石の高さを感じることができると思います 特にラストシーンと音楽が素晴らしく、映画としてしっかり成立していました 75/100 こういうピュアで重い作品は本当に好きですし、 今度こそはこの監督の成熟した作品を観てみたいと強く思えました また、自分達でもこのくらいのバジェットならなんとかなるかもしれない とか勝手に考えてしまい・・・ちょっとモチベーションが上がります。 |
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ノルウェイの森についていちいち説明する必要は無いと思うが、
1000万部以上の発行部数で、全世界で読まれている村上春樹の 大ベストセラー小説です 映画が上映される2ヶ月程度前に小説を読んだのですが、 話題となっている小説だけあってさすがに面白い と、同時に映画かは難しいだろうという事が直感的に分かりました これだけの超大作を2時間程度の映像に押さえる事が出来るのだろうか、 文字だから出来る細かい表現やアート的な部分を表現できるのだろうか、 そういった疑問を抱きながら映画館に足を運びました で、1WMとしては珍しく映画館での映画鑑賞となったわけですが、 映画を観て感じた事は、色・光の当て方やインサートの映像的な部分は 良かった。青いパパイヤの香りのトランアンユン監督だから出来る 映像美がそこには広がっていた おそらく、日本の監督などではノルウェイの森の世界観をこのような 映像美で表現する事は出来なかっただろう しかし、ストーリーはどうだろうか やはりこれだけの超大作を2時間30分程度の枠に収める事は難しかった 実際私の場合は小説を読んで直ぐという状況だったので、そのストーリーを 理解する事は容易でしたが、小説を読んでいない人がこの映画を観たとき おそらくほとんど理解できないのではないだろうか それくらいストーリーの展開が早かったです それ故に、一つ一つのシーンの持っている意味が薄くなっているような感じが しました 青いパパイヤの香りでは、一つ一つのシーンの間や映像が綿密に計算され ゆっくりとした感じだが長過ぎないという間の取り方で、ちゃんとた意味が 有るものと感じていました それが、今回は小説を忠実に再現するという事もあったのか、小説の浅〜い部分を さらっと流したかのような映画に感じました さらっと流したにしては、小説の中では非常に重要なイベントが省かれていたり それほど重要でない(私の中では)イベントが描かれていたりして はたして監督はこの小説を深く理解しているのだろうかと疑問を抱く所も いくつかありました 例えば、この映像が10分くらいでノルウェイの森の小説を紹介する イメージ映像です という位置付けなら有りだったと思います しかし、映画としてみると小説の持っている良い部分 (普遍的なテーマ 人間の生と死、男女の性や欲) の表現がいまいちで、結局何が言いたかったのだろうと思ってしまいます 30/100点 もし小説と比べると、小説の良い所があまり表現されていなかったと思うので、 さらに酷評となってしまいますが、基本的には映画としての評価となりますので、 表現できていなかったとしても単純に原作が良いという点は加点として考え、 映像の美しさと松山けんいちと緑役の子の演技がなかなか良かったという所を 考慮してこれくらいの点数かなと思います |
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今年はこの作品を観覧するために生きていた
と言えば大袈裟ですが、それほど期待していた映画 学生時代、原作を読み、多大な影響を受け、 言わば自分の青春の塊は村上春樹だった 小説は結局、村上春樹以外読んでいない 他の小説も様々推薦されたが、引き込まれるものは無かった これほど自分の波長と同期する創造物には出逢えなかった 独特の比喩表現、緻密で綿密な構成、時代の切り取り方 そして、物語全てを覆うその繊細で美しいリズム 何をとっても、私には必要なフィクションだった ノルウェイの森の最後のページに感じたあの心の震えは 今でもハッキリ手に取るように感覚が残っている なんというか五感全てが膠着し、緊張し、1になる感動 ということで、それらの思い出のエピソードを語り出すと キリが無いのでこのへんにしておきますが、そういう貴重な原作 そして、映画の感想ですが、何も書く気も起りません この映画は、ほぼ私のとって「ゼロ」の作品でした ここまで思い入れが激しいので、どうしようもなく 稀な感想にはなるかもしれませんが、村上春樹ファンで この作品に納得できる人は「ゼロ」だと思います 監督は、「青いパパイヤの香り」で衝撃を受けたトライ・アン・ユン 音楽は、ビートルズ とくれば期待は最高潮に達するはずでしたが・・・ 小説の世界の解釈が乱暴で、表現はさらに稚拙 その微妙で繊細なトーンを何も表現していない演出に目を疑いました また、役者の選定、特に直子は、イメージの崩壊に繋がっていた 3つの大きなポイントが完全に抜け落ちていた ・直子の死のシーンの繊細さ(過剰な演出をしてしまっていた) ・緑の物干し竿でのシーンの欠如 ・ラストシーンの稚拙さ また、この映画は、R12です 何故、こんなセーフティーな表現に留まったのか 商業映画として整理し、まとめる必要があるのであれば、 手をつけてはいけない それは、監督もプロデューサーも役者も途中で気付いていたと思います はじめから手をつけるべきでは無かったのだと思います 今の映画界のビジネスの仕組みの中にこの映画を嵌め込むには、 大きな覚悟と責任感が必要だった筈です あまりに失望して詳細は書きませんが、やはりゼロです 敢えて良かった部分を書くと、それは音楽です ワタナベが喪失したシーンでのCANの楽曲の採用 そして、その他の映画音楽 この部分は、プロ意識が高いクオリティーで 小説には無い独自の解釈が私には響きました 5/100 この映画は、単なるリハーサルです 逆に個人的には未来の希望が残りました この意識と仕組みで作り上げる作品では無い そのことが理解できただけでも良かったのかもしれません。 |
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ウォンカーウェイ監督の映画はマイブルーベリーナイツに次ぐ2作目となる
まず、感じた事はストーリー云々よりも映画全体の雰囲気と言うか 映像的な部分であったり、スピード感という部分にグッと来ました 犯人を追いかける所であったり、金髪のおねーちゃんが逃げている所であったり、 CDが回っている所、足をマッサージしている所とか あと、ママス&パパスのCalifornia Dreamin'という曲が好きなので、 普通の映画ではあり得ない大音量でこの曲が流れていた所が良かった マイブルーベリーナイツの時もそうでしたが、ウォンカーウェイ監督の映画は ストーリー云々よりも、映像や音楽の様な右脳に響くような事が 素晴らしく良くて、エンターテイメントな映画の中でもおしゃれに仕上がっている と思います。 ストーリーとしては、特記するほど素晴らしいと思う部分はなく、 エンターテイメント映画なので、メッセージ性も特にないです。 ただ、2つの作品から構成されている映画ですが、2つの作品が実は 時間も場所も類似しているという事が解る所が発見できたのが面白かった 70/100点 |
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自分の青春時代に感銘を受けた作品
青春時代といっても学生映画を始めた頃ですが・・・ なんだかんだと言って、ゴダール被れだった私でしたので 当時、このようなスタイリッシュで甘い映画は好みませんでした ただ、これは予告を観た時にえらく映像が印象に残り、 村上春樹フェチの私には、セリフにもグッとくるものがありました 映画館に行った時、覚えているのは、若い女性が多かったこと 女性誌でも取り上げられていた作品、そして金城武に人気があった時代 そんなこんなでちょっとしらけ気味で観覧したのを覚えています で、当時、本当に感銘を受けました 後の「天使の涙」も好きな作品ですが、特にこの「恋する惑星」は 今までの日本映画には無かった雰囲気がありました なんというか、観ていて気持ちがいいんです 即興的な撮影クリストファー・ドイルのカメラワークはもちろん、 光の捉え方やコマ落としを効果的に使った回想 あと、翻訳家が素晴らしいのかもしれませんが、 セリフ回しの微妙な駆け引きが非常に好きでした 全体を通して映画的な映画とは思いませんが、 このテイストは、自分も挑戦したいと思いました もちろん、役者や音楽の力が圧倒的な部分もありますが、 全ての演出において新鮮で斬新でした そして、今回、十数年振りの視聴 映像的にはやはりちょっと色褪せた感じはありましたが、 全体のトーンは、全く色褪せない 逆にこの歳になって感じたことは、その構成力です 3つのストーリーを交錯させていて、当時も感心していましたが、 今観ると、かなり確信的で、やはり村上春樹の小説のようです 一見、そんな感じには見えないのですが、観察モードで観ると しっかりディティールが繋がっているんです 80/100 実は、ウォン・カーウァイ作品は、「天使の涙」以降観ていません なんだかちょっと求めていた路線と違う方向になっていったからです ただ、ブエノスアイレスは観ろ!とえらく周りに言われ、 今回の再燃したので、観てみようと思います 逆に楽しみになってきました。 |






